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医療法人化のメリットとデメリットの検討

医療法人化には、メリットデメリットがありますので、十分な検討をして医療法人化を進めることが重要です。所得が少ないにも拘らず法人化をすると、デメリットの方が強く表れ、税制の恩恵を受けられず、また事務負担が増大するといった結果をもたらします。

医師または歯科医師が診療所を開業する場合には、まず、個人事業主として開業し、患者数が増加して経営が軌道に乗ってから、医療法人として法人成りするケースが多いです。

医療法人化のメリット

医療法人化のメリットには、以下のような事項があります。

1.税率構造の違いにより税金が軽減される場合があります。

個人で診療所を開業している場合には、個人事業主として所得税が課税されます。医療法人の場合には、法人税が課税されます。
所得税の税率構造は、超過累進税率で所得が多いほど税率が高くなります。所得税と住民税を合わせた最高税率は50%になります。他方、法人税は一律(中小法人は二段階)の税率で、法人税と地方税を合わせた実効税率は約36%です。したがって、所得が低い場合には所得税の税率の方が低く税負担が少ないですが、所得が高くなると法人税の税率の方が低くなり税負担が少なくて済みます。

 

2.給与所得控除額の適用と所得の分散ができる。

院長の収入源は、個人で診療所を開業している場合と異なり、医療法人では、診療収入は法人の収入となり、院長(理事長)は、医療法人から役員報酬として給与所得を受けるようになります。給与所得には給与所得控除額が認められており、給与収入金額から給与所得控除額を差し引いたものが給与所得の金額になりなすので、所得税の負担を少なくすることができます。
また、院長の家族に給与を支払うことによって、所得を分散させて、院長個人が高額所得になって高い税率が適用されることが防げるので、税金の負担を少なくすることができます。

 

3.役員退職金が経費にできる。

個人で診療所を開業している場合には、所得税の範疇では、院長やその家族(専従者)への退職金は必要経費にすることはできませんが、医療法人の場合には、院長(理事長)やその家族(理事)に退職金を支給して、一定の適正額の範囲内で法人の経費にすることができます。また、退職金の受取人についても、退職所得は他の所得と分離して課税され、退職所得控除や二分の一が課税される優遇がありますので、税金が有利に扱われます。

 

4.生命保険の活用が可能になる。

個人の所得税では、支払った生命保険料は生命保険料控除として所得控除ができますが、一般の生命保険料として最高5万円までしか控除されません。法人では、契約者と保険金受取人を法人とすることで、保険料の一部または全部を医療法人の経費に計上することができます。また、生命保険の活用により、退職金の資金の確保や企業リスクに対応することができます。

 

5.欠損金の繰り越し控除の期間が延長される。

個人で診療所を開設している場合、損失を繰り越すことができるのは3年間ですが、医療法人の場合、一定の要件を備えることにより、9年間繰り越すことができます。

 

6.幅広い事業展開が可能性になる。

医療法人化によって、個人では認められていなかった分院の開設が可能になります。また、介護事業や有料老人ホーム運営などの事業に参入できるようになります。

 

7.事業承継がしやすくなる。

院長(理事長)が引退する場合や死亡して相続が発生した場合、個人で診療所を開設している場合には、院長の廃院の手続きをしてから後継者の診療所の開設の手続きをしなければなりません。一方、医療法人の場合には、院長(理事長)が引退や死亡の際にも、医療法人は自体は継続しますので、理事長の変更を行うだけで済みます。

医療法人化のデメリット

医療法人化のデメリットには、以下のような事項があります。

1.交際費のうち損金(税務上の経費)として認められる金額には一定の限度額がある。

個人の所得税では、交際費の全額が必要経費になりますが、医療法人では、交際費として認められる金額には一定の限度額があります。

 

2.社会保険に加入しなければならない。

個人で診療所を開業している場合には、従業員が5人未満であれば、社会保険の加入は任意で強制されていませんでした。しかし、医療法人化した場合には、法人事業所として従業員数に関係なく、社会保険に加入しなければならなくなります。
なお、個人で開業しているときから医師(歯科医師)国保に加入している場合には、健康保険の適用除外の手続きをして医師(歯科医師)国保を継続的に適用し、厚生年金だけ加入することができます。
社会保険に加入した場合には、保険料は従業員と法人の折半になり、医療法人の保険料負担が増加しますが、優秀な従業員の確保や従業員の定着化に繋がります。

 

3.事務手続きが増加する。

医療法人は、法人設立の際や毎年所定の時期に、役所へ提出する届出書が多くなり事務手続きが増加します。
特に決算の際には、毎年決算終了後、法務局へ資産総額変更の登記を行い、都道府県知事へ事業報告等届出書と登記事項の届出を提出しなければなりません。

 

4.医療法人を解散したときの残余財産が国等へ帰属する。

第5次医療法改正により、平成19年4月1日以後に設立される医療法人は持分の定めのない医療法人となり、拠出型医療法人と呼ばれています。そして、この持分の定めのない医療法人は、解散した際の残余財産の帰属が国、地方公共団体等に制限されることになりました。
ただし、このデメリットに関しては、役員報酬や役員退職金の支給により、解散時に医療法人の内部に残余財産が残らないようにすることで対策ができます。あくまで解散したときの問題なので、解散しないで後継者へ承継させる場合には、このデメリットは生じませんし、また、持分の定めのない医療法人の出資には相続税は課されません。

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