会社設立事項の決定

会社設立の手続きに際しては、その後の手続きを円滑に進めるために、あらかじめ会社の商号や目的などの会社設立事項の決定を行います。この会社設立事項は、定款や会社設立登記の申請書を作成する際に必要となる基本的事項です。会社の今後の事業計画などを考慮して慎重に検討しましょう。

1. 商号
   商号とは、会社の名称のことです。会社の種類に応じて、その商号の中に、株式会社、合同会社、合名会社、合資会社の文字を用いなければなりません。
2. 目的
   会社が営む事業内容を具体的に列挙します。
3. 本店所在地
   会社の本店の住所のことです。通常は地番まで決めておきます。「東京都渋谷区」のように最小行政区画までを定款に記載することもできます。
4. 発行可能株式総数
   発行可能株式数とは、授権株式数のことで、授権資本の範囲内においては取締役会（取締役会非設置会社では株主総会）の決議のみによって必要に応じ随時株式を発行できる。
5. 資本金の額
   資本金とは、出資者が会社に対して払い込んだ金額で、貸借対照表に表示されます。対外的な信用や税制面での取扱を考慮して、資本金の額を決めることが多いです。
6. 公告方法
   官報、日刊新聞紙、電子公告での公告方法があります。
7. 発起人
   発起人とは、会社設立の企画者として定款へ署名した者です。株式会社の場合は、発起人は１人でも設立ができます。
8. 就任予定役員
   会社の機関設計に応じて、設立当初の役員を決める必要があります。
9. 事業年度
   事業年度とは、会社の経理のための会計期間を区分する一定期間のことで、営業年度とも言います。一般的には、事業年度を一年とする会社がほとんどです。決算日から２ヶ月以内に法人税などの申告書の提出を行う必要があります。
10. 株券の発行
    株主の地位を表象する株券を発行するか否かを決めます。会社法では、株券不発行が原則になりました。株券を発行すると、印刷費用、管理費用などのコストがかかります。
11. 株式譲渡制限
    株式の譲渡制限とは、株式の自由な譲渡を制限することで、会社にとって好ましくない者が株主になり会社経営に参加することを防止することができます。会社は定款に記載することにより株式の譲渡制限を定めることができます。
12. 機関設計
    会社の種類に応じて、会社の機関を設定する必要があります。
    株式会社では、株主総会、取締役、取締役会、監査役、監査役会、会計参与、委員会などの機関を設置できますが、取締役１名から株式会社の設立ができます。
    合同会社では、機関の細分化は進んでおらず、原則として、各社員が業務を執行し、その意思決定は社員の過半数をもって行います。定款又は定款の規定に基づく社員の互選により、会社の代表者を定めることができます。社員１名から合同会社の設立ができます。

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